ams

a tokyo based manicurist, hatsuki furutani's salon works from a.m.s. ebisu place in shibuya

2012-11-14

バベルの塔 勝鬨橋 薄霞む神出鬼没 

a.m.s恵比寿プレイスです。

こんにちわー。このネイルは良いね。古びた壁、中世の教会。フレスコの壁画。何か西洋の古い建築物の一部に見える。中世の教会のある広場。カトリック司祭の行列。


ところで、ですよ。わたし解説者マサ子(仮名、37歳)は、どうもスカイツリーが怖い。やっぱ世代柄タワーと行ったら俄然東京タワー派であって、スカイツリーにはなじみがない。暇に任せて、何故東京タワーは怖くないのに、スカイツリーは怖いのかなっていうのを、もぞもぞ考えたりしてたんだけど、なんとなくわかった気もしないでもない。

最近太ってさ、スポーツクラブに入ってなんだらカラダ診断みたいのやったら、「マサ子さんのカラダ年齢は47歳です。」とか出てくる始末でさ、急に47歳て言われても、心の準備もできてないし、困ったから時間がある限り歩くことにしてんだけど、こないだは、銀座から勝鬨橋に行って、勝鬨橋を上流に遡って歩いてみたのね。実に気持ちよく、月島の高層マンション群を眺めながら、勝鬨橋の次の橋から隅田川の対岸に渡って、再び実に気持ち良く、今度は品川の高層ビル群や東京タワーを眺めながら、また勝鬨橋に戻ってきて、ふと月島の方を見返したら、今まで影も形もなかったスカイツリーが、まるで自分の顔の真下から懐中電灯を照らしたような、実に不気味なライトアップで、突然東京の空に浮き上がっていて、頭から水を被ったように驚いた。あんた、そこにいたなら言ってよあたかも、ずっとそこにいました風に急に現れるんじゃない驚くだろう。と思ったけど、実際問題、スカイツリーは消えたり現れたりするわけじゃないから、ずっとそこにいたんだろう。なんで、あれ、今まで何も見えてなかったのに急に出てくるかね?結構神出鬼没だよね。東京タワーはそんな事ないよね?見える時は常に見えてるし、突然夜道で自分の顔の真下から懐中電灯を照らしたような顔をして急に脅かしてくるなんてことは、東京タワーに限ってそんなことはない。

しかし、突然見えたり、突然消えたりするから怖いのかしら。とか、ライトアップが肝試し風だから怖いのかしら。とか色々考えたんだけど、やっぱり、決定的なのは、縮尺が東京の町にあってないってことだよね。だってさ、東京の町を全体から俯瞰した時のあるべき縮尺、美しいサイズ感、っていうのは、「ゴジラが現れて東京タワーを倒す」縮尺が基準になってるわけでしょ?・・なってんだよ。だから、ある一定の世代より上は、無意識のうちに東京の町の縮尺を「ゴジラと東京タワー」で測ってると思うわけ。まあ、「ウルトラマンとビル」でもいいんだけどさ。これはもうミイラの横に比較対象用のタバコが置いてあるのと同じことで、幼少の頃から刷り込まれた寸法の図り方なわけよ。そこにくるとさ、だいたいゴジラがこれくらいだったら、東京タワーはこれくらいであって、周りの高層ビルの大きさはこれくらいが美しいな、っていう黄金比があるわけで、スカイツリーがあるとそのバランスが崩れるから困るんだよな。それにだいたいゴジラにしたってさ、今、東京湾から上陸してもさ、自分の倍も3倍もあるようなタワーがあったら、一生懸命すがって揺さぶっても倒せないでしょ?

それでは。