ams

a tokyo based manicurist, hatsuki furutani's salon works from a.m.s. ebisu place in shibuya

2012-07-30

邸宅 場末 摩天楼 美しが丘のニュータウンの森

a.m.s.恵比寿プレイスです。

こんにちわー。なんか摩天楼が書いてある。


わたし解説者マサ子(仮名、37歳)は下町と言いたいが、下町というよりあのそのえーと場末で生まれて場末で育った。そういうわけで、新興住宅地とか、何とかヶ丘とか、何とかの森みたいな名前がついたもんじゃらニュータウンには、住めない。理由は簡単で、碁盤の目に同じ色と形の家が並んでいると、自分の家がどこだかわからなくなって、お家に帰れなくなってしまう。場末の家々だって、みんな兎の家のように小さい灰色や茶色のトタンの屋根で、くすんだモルタルの壁をしているけど、私は場末に生まれ場末に育っただけあって、個々の違いを見極める場末審美眼が磨かれているので、自分のお家に帰れなくなってしまうなんてことはない。まあ、慣れの問題ね。

あと、「美しが丘の森ニュータウン」(仮称、私鉄電鉄開発の新興住宅地)にも住めないけど、なんか、ものすごいお金持ちになったとしてだよ、どっか23区の高台の高級住宅地に住むか?つったら、それもなんか落ち着かないよね。オマエはどのツラさげて、山の上の高級住宅地の豪邸に住んでおるのだオマエは場末で生まれて場末で育ったんだろう 場末の魂を忘れたかと自分の中の場末が、自分を問い詰める。同様にタワーマンションにも住めないだろう。

そんなわけで、私が今住んでいるところも、周りに印刷屋があったり、ガラス屋があったり、椅子の張り替え屋があったり、氷屋があったり、塗料屋があったり、塗装屋があったり、ちょっとした町工場みたいのがあったり、良い具合に鉢植えの植木が外に出されてたり、路地に面してエアコンの室外機が置かれていたり、児童館や福祉会館があったり、自転車が無造作に置かれていたり、10分もあるけば繁華街ではなく、「盛り場」と言うのが相応しいスナック街やパチンコ屋や赤提灯が軒を連ねるネオン街がある。いやー 落ち着くなー。実に大変誠に落ち着く。

そういうわけでさ、家に帰ってポストを開けると分譲マンションのチラシとか入っててさ、「番町の邸宅街に住まう」とか「高台の森に住まう」とかやたら「住まう系」の大手デベロッパーのチラシが入ってるんだけど、あんまり、「下町に住まう」とか「高架下に住まう」とか「振動の伝わる高速道路の下とか脇に住まう」とか「粉塵の京浜工業地帯に住まう」は見ないよね。なんで?需要がないの?私、場末に住まってるよ。

それでは。