a.m.s.恵比寿プレイスです。
このネイル超かわええ。万国旗にも見えるし、タイルやモザイクにも見えるし、絵画の集まりにも見える。19世紀のパリの万国博覧会、植民地の万国旗。
工業や科学技術の明るい未来。日本で、パリの万国博覧会に相当する、無条件に明るい未来を信じていた頃って、いつなんだろうか?やっぱあれか?ギブミーチョコレートか?
・・・わたし解説者マサ子(仮名、37歳)はずっとマッシュルームカットだったんだけど、最近美容院に行ってだよ、マッシュルームはもうやったしアレなんで、あれだよ コケシみたいな、アヴァンギャルドな三角形のおかっぱ頭がやりたい。山口小夜子とか川久保玲とかうーんほれ 百歩譲ってシカゴのキャサリン・ゼタ・ジョーンズっていうか~
とか 美容師さんを困らせて山口小夜子になったはずなんだけど、なんというかなあ。
山口小夜子っていうよりも、ていうか、こう、一抹のギブミーチョコレート感が漂うっていうかー。ていうか、ギブミーチョコレートそのもっていうかー。焼夷弾で焼け野原だけど、G.I.が町をジープで乗り回して、民主主義で平等な世界は明るいけど、頭にはシラミが湧くからDDTをぶちかまされて、給食はクジラの竜田揚げを食べて脱脂粉乳を飲んで、青洟を垂らした丸刈りの坊主と刈り上げおかっぱのお嬢ちゃんがすし詰めのバラックの小学校では二部制の授業が行われて、赤胴鈴之助。てかさあ、うちの母ちゃんトメ子(仮名、63歳)の子供の頃の写真とか見るとさ、超刈り上げのおかっぱでさ、絵に描いて額縁に入れたような 「戦後すぐの子供の写真(白黒)」なんだけどさ、やっぱ血は争えないもんで、いくら美容師さんが頑張ったところで、アヴァンギャルドなボブカットていうより、なんか焼夷弾とクジラの竜田揚げと脱脂粉乳とギブミーチョコレートの香りが漂う37歳秋の夕暮れ。
それでは。