a.m.s.恵比寿プレイスです。
こんにちわー。解説者マサ子(仮名、37才)です。このネイルはなんかサッカーのボールとか、バレーのボールみたいに見えるね。
こちらはサッカーのボール、バレーのボールに加えてスポーツのルールが書いてあるように見える。
スポーツのルールって、私にとってはこういう図形を見るのと同じような気分になる。すなわち、何か意味があるのかもしれないし、意味がないのかもしれないし、つまり、わからない。だって、スポーツできないんだもん。
体育の時間は憂鬱だった。冒頭で偉そうにサッカーのボールとか、バレーのボール、とか言ったけど、私は体育不適合者で、100メートル走れば20秒かかり、徒競走はいつもビリで、大縄跳びには入れず必ずあたしの回で連続記録が終わり、跳び箱は飛べず尾てい骨を跳び箱の角にぶっつける迄にも至らず、逆上がりは結局できないで終わり、バレーのサーブは空振りし、仮にボールが手首にあたってもボールは上に上がるばかりで直進せず、テニスのサーブもできず、むしろ相手のボレーが顔面に当たった事があって痛かった。どうしてボールの進路に顔があるのか自分でもわからないよね。顔で受けてどうすんだつーの。更に、体育が苦手な子供の心に暗い恐怖のトラウマを残すドッチボールでは、哀れな最下層人民として恐れ慄き逃げ惑うのみで、結局逃げてばっかいるから最後まで残っちゃって、一番痛いボールをオケツとか足の脛に当てられる。ポートボールとかいう、今じゃなんだかよくわからない謎のスポーツのルールは最後までわかんなかったし、ソフトボールやるつーんでバッターボックスに入れば見事な空振りを連発し、サッカーをすれば自分の蹴ってるボールに乗っかっちゃってすべっておっとっとっと・・ ってなって転び、バスケットボールのゴールは入らず誰もいない体育館で体育教師の見張る中ゴールが入るまで居残りさせられ、・・ いやもうあたしそんなに 恨みつらみを述べる方じゃないと思うけど、スポーツは大の苦手だね。だって体育の時間って、今考えると、結構不条理じゃないか?
だってさ、音楽の時間に歌を歌えない人が歌えないから、とか、下手だから、っていう理由で居残りさせられたり、歌のうまい人と大勢の前で歌い比べさせられて、うーん。オマエはミヨ子ちゃんよりヘタだから3位ね。とか、マコト君は音痴だから6位ね。とか、あーあーマコト君のせいで勝てなかったー。とか、そういうのはなかったじゃん?美術の時間も、そういう競争制度はなかったよね。当時は、あたしもかわいいもんで、体育の時間は不条理に耐えて耐えて耐えがたきを耐え忍び難きを忍んでいたけど、今よくよく冷静に考えてみりゃ、なんで、あたしばっか耐えんのよって話で、今だったら、逆切れして あたしが体育できなくて困ってんだから、歌の歌えないもんは いますぐここで歌って困れええ とか暴れるだろうな。困ったもんだ。
いや。でも、わたしにはわかる。なぜ、体育の時間に公開羞恥処刑制度があって、音楽と美術の時間にはないか。
スポーツのできる男の子っていうのは、モテたわけだ。もしスポーツのできる背が高くて顔の綺麗な男の子が音痴で絵がヘタなのが、公衆の面前で白日の下に暴露され、競争させられ、失敗し、最下位の順位をつけられたらどうなるのか?逆に、スポーツもできなくて、背が低くて太目でハンサムとも言えない男の子が、ものすごい美声で歌を歌い、美しい色彩で世にも妙なる絵を描いて、それが小中学生のクラスの人民に披露されて、コンクールに打ち勝ち褒め称えられ、高い順位を与えられたらどうなるのか?いやもう学校生活の弱肉強食ヒエラルキーが大崩壊、誰が強くて誰がモテるのかわからなくなって大パニック、なんというの?猿山のボス猿が死んだようなもんでさ、今まで平和に暮らしてたのに急に権力図が崩壊して もう大混乱になっちゃうよね。ミツバチの箱の中にスズメバチを入れたみたいになるよね。そうなると、色々と管理する権力者の人が困るからじゃないかなあ。
それでは。