a.m.s.恵比寿プレイスです。
そういうわけで前回までのあらすじはここなんだけど、アンドロメダの機械の女には待つ人がいるから、人間の男はさようならも言わないでアンドロメダ星の銀河波止場から、冥王星経由山羊座航路の宇宙船に乗って、アンドロメダにはもう帰らないつもりで、無間の旅に出る。
トランジットで立ち寄る冥王星はいつも冬だから、太陽の光も届かなくて、吐く息は吐いたそばから白いチタンの煙になって凍って消える。冥王星は銀河の果てだから、宇宙船はみな夜更けに到着するから、乗り継ぎの待合室やロビーも人気がまばらで、搭乗ゲートは長い空港の突端に1つだけ、頭にターバンを巻いて髭をたくわえたクロノス星人が黒いアタッシュケースを携え音もなく堂々と通り過ぎ、クロノス星人の通ったあとだから時間が2分戻り、わずかな貨物を積み込む荷役用のアンドロイドが手持無沙汰にカートの脇に佇み2分をやり過ごし、見上げれば銀河は暗い。男の体からは機械の女のぬくもりも冷め残り香も消えて、待合室の熱いシャワーを浴びて、最後の煙草を1本吸ったら冷凍仮眠室に入って山羊座航路の宇宙船の到着を500年待つ。
というわけでさ、マヤ暦の地球滅亡の計算が間違ってたかなんかで、2012年の12月じゃなくって、本当は先週の10月28日(金)で地球が滅亡するはずだったらしいんだけど、あたし36歳解説者は本業はサラリーマンで今仕事が時節柄忙しくてさ、もう時節柄地球滅亡してもやぶさかでないと思ってたんだよね。ごめんなさい。年度末って怖いね。人の気を狂わせる。あなたなしでは生きてゆけぬ。あと今雪山で遭難しても、どうせ生きて帰っても仕事だしなあ。とか思って生に対する執着がないから、あっさり眠って凍死すると思う。あと、飛行機っていうのはなんで飛ぶかって言ったら、乗ってる人の”落ちたらいやだ”っていう念力であれだけ重いものが浮かびあがって、あれだけ速く飛ぶんだ、って話あったよねたしか。そうだったとしたら、今あたし飛行機乗っても、皆さんの思いに賛同できなくて大変申し訳ないなと思う。
そんなわけで、10月28日には隕石でも飛んでくるのかなと思って、隕石が上空を流れ飛んでるのは想像つくけど、何キロ四方もある小惑星のような隕石が、自分の上に振ってくる光景っていうのはちょっと想像がつかないけどどんななんだろう。て隣の席の人に言ったら、・・えっ・・? って言われました。
それでは。