ねえねえ、ニュートリノって何なの？ひかりより速いんでしょ？のぞみってこと？
こないだめずらしく新聞を読んだら、「ニュートリノの速度が光の速度より速いことを実験で見出したので、相対性理論が覆る可能性が出てきた。」って書いてあった。新聞書いた人、わかって書いてるのかな。わかってるよね。きっと。わたしはわからない。なんかニュートリノオリンピックみたく冬季オリンピックでもやるのかと思った。2回目だからニュートリノなのかなとか。すごい小さい粒粒がすごい速さですごい細かくアイスホッケーとかやるのかとか。とにかくこれに関しては、「すごい速い」とか「すごい小さい」とか、非常に語彙が貧困になります。
わたしはニュートリノの速さが光より速くて、それがすなわち相対性理論を覆すっていう文章の帰結が全く理解できないし、もしそうだとすると、この世の理の何が変わるのかわからなかったので、お母さんに聞いてみた。だってお母さんてなんでも知ってるでしょ？とりあえず困ったらお母さんに電話するでしょ？夏にお米に穀象虫が湧いたらどうするかとか、重曹でタイルの床を掃除していいかどうかとか、煮魚の水の量とか、ハンバーグの焼け具合とか、DVDの予約録画の仕方とか、どこの掃除機がいいかとか、白物はやっぱりナショナルよね、とかママは何でも知っている。でももうナショナルじゃないことは知らないぽい。で、お母ちゃんにニュートリノって何？光より速いとどうなるのって聞いたら、
うん、そうなのよー、それわからないのよー。
って言ってた。なんかもうそのわからないのよーっていう会話のレベルの感じが、親戚の叔父さんのお通夜にいくら包むかわからないとか、法事にハトコの美恵子さんが来るかどうかわからないとかもうそういうレベルで語ってたよね。同レベルだった。
そういうわけで、私はものすごく夢見が悪いのか良いのかたまに世界の終わった後なのか始まる前なのか、地球以外のどこかなのか地球なのかここなのかそれとも例のあそこなのか、すごくトリップした夢をたまに見る。そういう夢は得も言われぬ壮大感と至福感に包まれておりまして、自分ながらどんな脳内物質が分泌されているのかいかがなものかと思う36歳秋の夕暮れ。絶対渡り賃持たないで例の川渡りそうになってるんだと思う。で、このネイル、この世の始まりなのか終わった後なのか、超新星が爆発してニュートリノが飛び散って時間も空間もなくなって、てどういうことなのママー！
それでは。
