古谷葉月のオペラ劇場の伝統芸能

a.m.s.恵比寿プレイスです。

こんにちはー。今日の模様はお久しぶりの亀甲模様だね。白と金の組み合わせは実に美しい。

私解説者マサ子（仮名）がいつも不思議なのはさ　オペラ歌手って世襲じゃないじゃん？あと　フランス料理のシェフも世襲じゃないじゃん？本人の才能・能力・努力・教育によって　オペラ歌手になったりシェフになったりするわけで　親がオペラ歌手だったから　子供もオペラ歌手になられたら　たまったもんじゃない。でも　一方で　料亭とか歌舞伎は世襲だよね？でも不思議なのは料亭の料理は美味しいし歌舞伎も面白い。いやてか料亭行ったことないけどたぶん美味しいと思う。で、料亭にしても歌舞伎にしても　もっと門戸を開けばもっと美味しくなったり面白くなったりするもんでもなくて　門戸が広くなったらなんだか　色々ぼやけてきそうな気もするのが　日本の世襲の伝統芸能。なんだろうかね。

さて。

私解説者マサ子（仮名）は　四十一。であり　良い年である。こないだ重要取引先が大変な失策をやらかしたのでご報告とお詫びにお伺いをしたいと言ってるんだけど　マサ子（仮名）さん　同席頂けませんか。と　担当者のゆう子ちゃん（仮名）が　おっしゃるもんだから　いいよー。なんて　適当に返事をしていた。何を謝りに来て何を説明されるのかも　イマイチ理解に乏しいのだけど　たぶん　貫禄のあるばばあの置物。が欲しいんだろう。貫禄のあるばばあの置物。のマネ・・　というか　マネじゃなくて　何を隠そう本物・純正品の貫禄のあるばばあの置物。なので　ここは遺憾なく置物力。（名：ｵｷﾓﾉｰﾘｮｸ　を　発揮させて頂く事としよう。

と　思って　会議室に入ったら　まあ　とにかく　私解説者マサ子（仮名）が一番年長なので　置物どころか真ん中に座り　口火を切る事を求められている風なので　ここは緊褌一番ひとつ期待にお答えして

マ：　いや〜、、〜あああぁぁぁぁ、、　今回は　実に参りましたよ　森田さん　・・　

と　申し上げてみた所　敵もさるもの　ハンカチなど取り出し　汗をふきふき　是ぞ　日本の伝統・謝罪するサラリーマン　といった　様相を呈して

営（森）：　汗）　え〜　このたびは　〜　汗）ま　こ　と　に　、、　申し訳っ　ご　ざ　い　ま　せ　ん　汗）

と　頭を深々と下げて応酬して来られるので　私解説者マサ子（仮名）も　いよいよ　張り切って

マ：　うちもね〜　金型がｲﾉﾁでございましょ〜？　今回ばっかりはもう　本部長も私も困っちゃいましてねえ・・

と　金型砲をぶちかましてみたところ　営業さん　いよいよ汗をふきふき

営（森）：　汗）ﾊﾊｯ、、　え〜　汗）ま　こ　と　に　、、　おっしゃる　と、お、り、で、・・・　（汗　言　葉　も　ご　ざ　い、ま、せ、ん　（汗

と　おっしゃる。

おぬしも役者やのう。

もう　これ　こうなると水戸黄門とか人情噺とか世話物とか勧善懲悪物とか何でもいいけど　とにかく　予定調和の伝統芸能の域に入ってくる訳で　営業さん。というのは　汗をかけてなんぼであり　謝罪する時に汗のひとつもかけないようでは　営業さん。と言えないのであり　そういう意味では　相手が謝罪する時に理詰めなどにせず　自由形の演技で芸術的な汗をかかせてあげる私解説者マサ子（仮名）も　思えば随分と狸になったなあ。と　思ったものである。そして営業さんがかく汗も狸汗。なのであり　謂わば舞台上で繰り広げられるぽんぽこ合戦と言って差し支えあるまい。尚　狸汗は狸汁。ではない。

しかし　狸道は獣道。深く長く、そして　険しい。のであるからして

私解説者マサ子（仮名）などは　たかが四十一、洟垂れ嬢ちゃんも洟垂れ嬢ちゃん、豆狸も豆狸。なのであって　小狸の営業さんに豆狸を立てて頂き　立派な中狸演技をさせて頂いてたわけなのであり　これを糧に大狸となるよう日々狸道に精進する次第なのである。

それでは。