ams

a tokyo based manicurist, hatsuki furutani's salon works from a.m.s. ebisu place in shibuya

2012-02-08

ソ連との邂逅、輝く宇宙と科学技術、EXPO'85 コスモ星丸

a.m.s.恵比寿プレイスです。

このデザインを見たときに頭の脳みその襞が掻き毟られるような思いをしたのは、あなた、あなたーあなたああああーーーーー あなたがああああいいて欲しいいいーーていうかコスモ星丸を思い出したからなんだ、って思い出すのに1週間かかった。コスモ星丸を知らないとは言わせない。知らない読者のお嬢さん方は、会社の先輩に聞いてみよう。先輩は無駄に何でも知ってるぞ。あれはまだ、日本に明るい輝く科学の未来があった頃、時は西暦1985年、場所は未来都市TSUKUBA・・ 


つくば博に国を挙げて盛り上がってたという印象があるのは、あたしが子供だったから、自分が盛り上がってて、国も盛り上がってるような気がしてただけ?でも少なくとも、大変申し訳ないながら、モリゾーさんとキッコロさんの万博は、私にとってはもう遠い出来事だったけど、つくば博は違ったよね。もう、大阪万博太陽の塔の真っ青の盛り上がりだったよね。と思うよ。あんまり自信ないけど。だってさ、その年に全然関係ない温泉地に夏の旅行にいって、よくわかんないけど、スキーのリフトとか乗って、夏山のてっぺんに上って、よくわかんないけど、コスモスが咲いてたりとか、よくわかんないけど、展望台にある100円入れると覗ける双眼鏡で眼下を見下ろしたりとかすんじゃない?で、全然茨城県でもないその温泉地の夏のスキー場のてっぺんに上って、下を見下ろすと、コスモ星丸模様の花時計?というかコスモ星丸模様に花々が植えられていて、上から見下ろすとばかでかいコスモ星丸が見えるという仕掛けが作られてたりした。そういうわけで、たぶん、少なくともつくばだけじゃなくて他県にも普及する催しであったことは確かだと思う。

そういうわけで、あの暑い夏、私は家族でつくば万博にいったわけだよ。たぶん、行くとこねえし、とりあえず万博行っとくか、という私らみたいな素人が近づいたら大やけどするとも知らずに、とりあえず何の下調べもせずに行ったから大変だったよ。なんだか、NEC館とか、日立館、とか東芝館、とか、そういう日本を代表する企業が先端技術を展示している館は軒並み3時間待ちとかなのね。あと、国の館もあった気がする。あの頃はまだきらきらと輝いていたアメリカ館なんか、もう大変だよね。入れる気がしない。とにかく、そういった「人気のある企業」や、「人気のある国」の館は炎天下で半日待たないと入れないくらいだった。そういう気合と気概を以て万博に行ったのではない素人のマサ子(37歳、仮名、当時10歳)の家族は当然、露頭に迷って、もう・・・ 無理・・ 帰ろうか・・ みたいな雰囲気になったんだけど、どこの館にも入らないで帰るのもアレだし、とにかく炎天下で歩いて暑いし、消耗するし、喉は乾いたし、どこかに入りたい、入れない、心裏腹 なわけでどんどん人気のないエリアを放浪することになって、なんだか香しくも香ばしい東欧エリアみたいなところに足を踏み入れて、一際人気の無く一際大きい建物が目にはいって、とにかくここに入ろう・・と思って見上げるとそこは

「ソ連館」

だった。

「ソ連」だよ?時代を感じるよね。ことによるとまだ国鉄だったかも。電電公社だったかも。今「ロシア」と聞いても、昔「ソ連」と聞いたほどの特別な感情は起こらないと思う。昔の「ソ連」は、今より遠く、今よりベールに包まれ、今より巨大で、何と言ってもダースベイダーで、今よりたぶん、敵対感情みたいなものがあったと思うから、それで「ソ連館」には誰もいなかったんだと思う。でもマサ子一家は、もうくたくたで、とりあえず涼しいところに入りたかったから、ソ連館の門を叩いた。トントントン、休ましてけろー。ロシア美人・・て言葉も最近は何か、特定の美人を指すような気も無きにしも非ずだけど、ソ連館のドアを開けるとそこは、赤い民族衣装に身を包んだ、正真正銘の紛うことなきロシア美人がいて、何と言っても、ソ連のように涼やかで涼しくというかなんというか、東南アジアに行くと、そこまで冷房効かさなくてもいいんでない?ていうくらい冷房が効いてるけど、そんな具合に16℃設定だろうというくらい、冷房が効いていて、親はそこでビールで喉を潤し、私は人生で初めてピロシキというものを食べた。ママーこれカレーパンみたいだねー!ていうか、それカレーパンがマネしてんですから。(だよね?)そういうわけで、マサ子は後々何を自分の能力を見誤ったか大学でロシア語を専攻して死にそうな目に合うも何も中退しちゃうんだけど、わたしとロシアの人生における出会いは、思い返してみるとTSUKUBAの温かいピロシキを供するソ連館、砂漠の蜃気楼に疲れた乾いて餓えた旅人を癒す人もまばらなソ連館、人ごみと暑さに息も絶えんばかりのエトランゼをやさしく迎え包み込むひんやりと涼やかなソ連館、つかず離れずの距離から決してべたべたせずそれでも優しく見守りピロシキを供するロシア美人のいるソ連館、そこにあったのではないかと思い当った。アイラブ・まだ見ぬロシア。ところでサモワールって何?飲み物を飲む装置のこと?

それでは。