ams

a tokyo based manicurist, hatsuki furutani's salon works from a.m.s. ebisu place in shibuya

2012-03-30

工業地帯のテトラポット 大阪南港発故郷に帰るフェリーポート

a.m.s.恵比寿プレイスです。

こんにちわ。これは何だろう。お灸じゃないとすればテトラポットに見えるんだよね。やはりここは生まれも育ちも京浜地区、六郷橋の橋の袂で拾われた私解説者マサ子(仮名、37歳)にしてみると、工業地帯のコンクリートで固められた大きい川の下流の護岸にテトラポットが設置してあって、その川べりで授業を中抜けして不良がタバコ吸ったりとかいうのは、川の原風景だよね。残念ながら、ぬったりと流れもなく流れる優しい土と深い緑に守られた千曲川、とかそういう素敵な川じゃない。海だって、テトラポットがあるものだし、マリンならコート・ダジュールや葉山なんかじゃなくて、やっぱり俺のマリンは大井・芝浦・晴海ふ頭なんだぜ。俺は待ってるぜ。


ところでこないだ、休みを取って広島に行って、ぶらりというかぼろり・負け犬一人旅をしたんだけど、一人旅の道中にめくるめくインスピレーションというかあの、つい一人でいるもんだからってまあいつも一人なんだけど、まあその取り留めもないよしなしごとが糠床に虫でも湧くようにふつふつと湧いてきてさ、その中の一つに、

(・・・ここらへん、すなわち広島瀬戸内海の船は確かに実態は連絡船かもしれないけど、連絡船と呼ぶべきでなくってあくまでフェリーと呼ばれる分野に分類されるべきであって、決して連絡船的な例のアレ、別れの連絡船ていうと、どこにあるのかは知らなくても誰もが知っているご覧あれが竜飛岬的な連絡船の感じがして、寒い北国の感じがするから、ここらへんの船は哀愁雪国連絡船じゃなくて、別れのフェリーターミナルとかさよならフェリーポートとかなはずで、フェリーに乗って南国の生まれ故郷に帰るんだな。とか、台北に帰るのかな。とかペナンの故郷を思い出すのかな。とか、いやむしろあなたの島にお嫁に行くの。じゃないか?とか、すわまさかこの女マニラに飛ぶのか・・?)

とかいう事をブツブツ思いながら徘徊した。

以上のように、古来よりバスを待つ間に涙を拭くバス停、見覚えのあるレインコートを見かける雑踏の駅、霧が流れてむせぶよな波止場、デッキに佇む雨の空港、愛がミステリーの成田空港の北ウィングなどの事例を紐解くまでもなく、交通機関とその要所は別れと出会いが交差するぽいんだけど、連絡船もその好例であることは言を俟たない。

ブツブツ。

(・・・ところで、竜飛岬がさよなら連絡船で広島が涙のフェリーポートなら、どこの港までが連絡船でどこの港からがフェリーなんだろうか。竜飛岬宮古釜石気仙沼は連絡船だよね。大洗も連絡船だよね。東京も思いの外、連絡船だ。なぜならば、アンコ便りが発着するのはきっと芝浦ふ頭じゃん?アンコ便りはおよそフェリーじゃなさそうだから、だったら連絡船の最南端は東京じゃん?横浜は難しいね。だいたいあれは港と波止場のどっちなのよ。波止場ぽくね?横須賀は船っていうより急な坂道駆け上ったら第七艦隊。今も海が見えるでしょうかー。ともかく、横浜には異人さんがいるってことは、連絡船とかフェリーじゃ外国までいけないから、横浜や神戸は外国航路の大型客船 なんだろうな。門司なんかも外国の香りがするし、長崎もある晴れた日に真っ白いあなたのお船が帰ってくる蝶々さんなんだからフェリーじゃないよね。)

 とか、北から順を追って港と船の対比を考察の上、これまとめるにすなわち、別れの船:北国雪国系は連絡船、別れの船:波止場発着異人さん系は外国客船あるいは艦隊、別れの船:南国回帰系はフェリーと呼ぶのが相応しいとの解に帰結する事は明白である。どうもおそらく思うに、大阪の海、南港のフェリーターミナルから出航する船くらいから、なんとなく南国の香りがするから、別れの船が連絡船じゃなくてフェリーになるのは大阪からだと勝手に決めてみた。違ったらごめん。

ところで、室戸岬とか犬吠岬とかは台風が上陸するっていう物理的な理由で全国的に有名なのに、竜飛岬ていうのは物理的現象じゃなくて何だかよくわからないけどどっかに帰る女の人が連絡船に乗ってるらしいという空想上の出来事で有名なんだから、すごい所だよね。

それでは。