ams

a tokyo based manicurist, hatsuki furutani's salon works from a.m.s. ebisu place in shibuya

2011-11-23

ヴィーナスの誕生。彼女は海岸でトラウマの海の貝殻を売っているはず、she sells seashells on the seashore

a.m.s.恵比寿プレイスです。

すごい綺麗なんですけど。貝からヴィーナスの誕生ネイル。ヒトデ、ホタテ、タコノマクラ。ヴィーナスの誕生。波打ち際、白い貝殻、摩耗した光るガラス、魚の鱗、ヒトデ、貝殻、蟹。タコノマクラ、白い貝殻、打ち上げられた海草、光る砂浜、真珠、ヒトデ、タコノマクラ、蟹、ヒトデ、蟹、・・蟹、・・蟹・・・


そういうわけで思い出してしまったので、今日は皆さんに聞いちゃいないと思うけど、雨の下田海岸の悲しい物語をお伝えしようと思う。あれは昭和53年、冬のこと。解説者マサ子(仮称36歳、当時3歳)は、まだ寒い春休みにママとパパと下田海岸に旅行に出かけたのさ。小さいマサ子は、よちよち歩きで海や砂浜で見るものまだすべて目新しく、雨の降る寒い下田の海岸で、ママと一緒に蟹さんを観察したり、貝殻を拾ったりして遊んで、赤黒くて小さく固い甲羅の蟹さんが気に入ったから、空の明治のコーヒー牛乳の紙パックに蟹さんを入れて旅館に持って帰ったのね。ママ蟹さんだね、うんマサ子ちゃん蟹さんだよ。旅館に帰っても、ママ蟹さん元気かな?見ていい?(コーヒー牛乳パックを覗く、蟹さんごそごそ)蟹さんいたよママ そうだね蟹さん元気だね以下同文復唱割愛。そんなんで、翌朝は当然、蟹さんを家に持って帰るのもアレだという健全な母親の判断のもと、マサ子ちゃん、蟹さんはお家に帰りたいって言ってるから蟹さんは元の海にもどしてあげましょうね うんママわかった蟹さんはお家に帰るんだねってなわけで、昨日蟹さんを拾った下田の海岸に蟹さんを放しに戻しにいったわけだよ。ここで、感動的な蟹さんとの別れ、蟹さんバイバイさようならー ママ蟹さんお家に帰るって喜んでるね (蟹:マサ子ちゃんありがとうー!お世話になりました僕は海に帰るよー!)蟹さーん ばいばーい さーよーうーなーらー!てなわけで蟹さんを紙パックからだして 紙パックから出た蟹さんに 蟹さんさようならー元気でねー マサ子ちゃんも元気でねー 蟹さんが砂浜から波打ち際に向かって歩き出して 蟹さんバイバーイさようならーマサ子ちゃんさよならー蟹さんバイバ”)[RWg fWEfr77%%「あばb



かあちゃんよそ見して蟹踏み潰しよった。

そこから先は覚えていない。たぶん大泣きに泣いたと思う。だって、普通ここで踏み潰すか?てか、我が子が蟹さんと感動的な別れをしてるんだから、別んとこ見とらんで足元良く見とけと言いたい。てかもうこれについては母に数十度と反省を促すべく厳重な申し入れしておりますが、どうもあはは踏んじったーとか言われる。これ思い出すと10年くらい前までは泣いてたよ。蟹さんと自分が不憫で。これを人をトラウマと呼ぶ。世の中はすべて自分の思う通りにいかないだけではなく、時として誠に非情で不条理な自分の力の及ばぬ試練が降って湧いてくるということを学びました。

それでは。