ams

a tokyo based manicurist, hatsuki furutani's salon works from a.m.s. ebisu place in shibuya

2012-02-15

悲しい愛の食虫植物、失恋映画館に雨が煙る

a.m.s.恵比寿プレイスです。

もうさ、ハレンチだかフレンチだか知らないけどさーとかいきなりごめんなさい。てかそういうさ、フレンチとかグラデーションとか、名前を付けてカテゴライズする、というのはやっぱり重要なことかもしれない。思うに、はっちゃんは結構独自のデザインをやってるけど、解説者のあたしがちゃんと名前をつけないばっかりに、毎回ほらあのあれがさ、前にやったアレよアレアレ、みたいな耄碌した解説をすることになる。もう駄ネコにエリザベスとか名乗らせる勢いでここはひとつ、すごい名前を命名して、ハツキーヌ・ロワイヤル・ド・エクストラヴァガンテ・ラ・フルタニてかなんかオネエタレントみたいな感じもしないでもないけども、近頃流行の「愛の深海水中花、くちびる DE  食虫植物花」のネイルです。すみません。


食虫植物っていうのは良いね。他の可憐な花々みたいに容姿で誘惑できないから、蝶みたいな優雅な獲物は寄ってこないから、変な怪しげな匂いを出して蠅をかどわかして、触手で絡め捕って自分の体内の溶解地獄に放り込んで溶かして食べたりとかもう、もはや戦後ではないとうか他人事ではない。所得は倍増してほしい。

大変わたくしごとながら、大学生の頃に不肖マサ子失恋して、基本的に今も昔も家に引きこもって本読んだりぐだぐだしたり昼寝したりぐだぐだしたり音楽聞いたりぐだぐだしたり歌うたったりぐだぐだしてるんだけど、その時は家にじっとしてても、むしゃくしゃしてやりきれないからてあんた通り魔殺人犯かと思うんだけど、とにかくむしゃくしゃするからもう映画を見続けようと思って、川崎チネチッタに出かけたわけね。とにかく、もう同じ映画でもいいから何本も一日見続けることに意義がある。それで、なぜか1本目は「フリントストーン/モダン石器時代」だった。 B52'sが主題歌歌ってて♪ヤ・バ・ダ・ヴァ、、、、ドューーー~~~~!!!!ていうかB52's以外何の記憶も残ってないんだけど、2本目キタコレ、「マディソン郡の橋」だったよ奥さん。平日の昼間で私以外観客は皆様、40代~50代と思しき主婦の方々で、なんか物語が佳境に入って、二人が別れた後の雨の夕方、フランチェスカは夫と出かけた街で、ロバートを見つけてしまう。見つめあう二人。でも、私は家族を捨てることはできない・・・フランチェスカは夫の運転する車の助手席から、雨のワイパー越しに前を走るロバートの車を見つめ、車が交差点を曲がったらもう永遠に会えないのに、ああ、無情、わたしは家族を捨てることができない・・車は交差点に差し掛かり赤信号になり、ロバートは私を待っている・・ワイパー越しに降りつける雨・・ワイパー越しに見えるロバート・・ここで車を降りてロバートの元に駆けつけたら?・・助手席のドアに手を掛ける、降りつける雨、曇るガラス、でも家族を捨てることはできないわ・・・永遠とも思える煩悶、ああ無情信号は青に変わり、・・このドアを開けてロバートにすがりたい・・駆けて行きたい・ ロバートの車が左折のウィンカーを出す・・夫が話かけるああ、ロバートは交差点を曲がり行ってしまう、永遠の別れ、雨のワイパー越しにフランチェスカは打ち付ける雨、曇るガラス・・ ずずず ずbぷ z zぶp ずpずっびずびzぶずびsp

って 主婦の皆さんみんな 映画館で泣いてるんだよ。当時二十歳の女子大生、番茶も出花のマサ子(仮名)は、他の観客の皆様のすすり泣きのずびずび言う音を聞きながら、ちょマジありえなくないていうかマジきもい何おばさん泣いてんのやばくね?とか鼻白んで、オマエは失恋してここに来てんだろうに、映画館の席に深々と超態度悪く座って、別にー。ありえなくねー?とか言って、鑑賞してたんだけど、今これを書くに当たりyoutubeで該当シーンを鑑賞したら、思いっきり泣ける。滂沱の涙。ロバートの薄毛はもはや全く気にならない。いやもうこれどう考えても泣けるし泣けないとかまじありえないからきもいー。というわけで、織江も大人になりました。マサ子、37歳の冬。

それでは。