ams

a tokyo based manicurist, hatsuki furutani's salon works from a.m.s. ebisu place in shibuya

2012-01-04

大天使ミハイルの啓示、避病棟の朦朧と憂鬱▲×●AU÷X・・・

a.m.s.恵比寿プレイスです。

マイケルって誰?どのマイケル?てかミハイル?ミカエル?ミケーレ?ミカ?ミシェル?オー、ラムール、ジュテーム。あたしの最初の男性アイドル、きゃーマイケルかっこいいーと思ったのは「J.フォックス」だった。今、ダウンのベストにハイカットのスニーカーっていう服装あるけど、そのファッションて「J.フォックス」の専売特許だったよね。


いやあたしもわかってる。そうそうポップ・ミュージックに詳しくないわたしですら「'92年デンジャラス・ツアー~ライブ・イン・ブカレスト」を何度も見たし、これがアメリカ合衆国古典伝統芸能の最後にして最大の継承者・金字塔であらせられるかのマイケル先生であろうことは。

マイケル先生がお亡くなりになられた年の秋に映画「This is it」が公開されて、ちょうど決算が終わって時間ができたので日曜日の夜に有楽町まで「This is it」を見に行った。最終回の上映だったにもかかわらず、映画館は超満員で立錐の余地もない大盛況だった。残念ながらあれはツアーのリハを収録した映画だから先生は最大のパワーで踊っていないと思うし、しかも先生はあんなに痩せていらしたしオーディションを勝ち抜いてきた若さいっぱいのバックダンサーとは年齢も違うのに、それでもバックダンサーよりも全然キレがあって、いったいこりゃなんなんじゃと思った。エンドロールが終わっても誰も席から立ち上がらず、言われているように、画面が暗くなると映画館の観客から拍手が起こった。

いやーすごいもの見ちゃったなーと思って、翌日会社に行って夜帰るとき電車に乗ったら、なんか急に体が熱くて汗をかいて妙にケホケホ空咳が出る。あら?なんか風邪ひいちゃったかしら?と思ったらどんどん症状がみるみるまにひどくなってこれ映画館で風邪もろたんかいな?今潜伏期間が終わったのかな?・・と思って翌日、這う這うの体で家の近所にある総合病院に行ったわけだ。

受付で すみません なんか 咳がケホケ・・あとなんか汗がホケ・▲×●AU÷X・・・・熱があって悪寒ゲホ・・ とか言ったら、受付の人は内科外来に行けという変わりに、今係の者がご案内しますので、少々お待ち・・という間にも白衣の屈強な係の者が2名すっ飛んできて、私を両脇から抱えて、広大な敷地の総合病院の受付フロアの長い廊下の突端の隅の端にある、パイプ椅子まで引きずって行って私を座らせて、ふと自分の座っているパイプ椅子の周囲を見ると、椅子の周りの床を、黄色と黒の斜線のビニールテープが囲っている。

(・・母さん・・ 俺・・ 死ぬのかな・・?)

てかどうやら俺、危険病原体として隔離されてるぽいんだね。そのなんちゃって隔離のまま咳げほげほ、冷や汗だらだら、悪寒でガクブル、前の日風呂入ってないし、大汗かいて発熱してわけわかんないし、頭かゆいし、朦朧としているのに、高熱発汗のままガタガタ震えながら何10分か待たされたら、また白衣の屈強な係の者が1名やってきて、こちらへご案内します。とかいって、こちらはいいんだけど、こちら、遠いんだよ。なんせ言ったように、広大な総合病院の敷地の1Fのフロアの廊下を突き当たって左に曲がって右に折れて、まっすぐ行って坂を上って半階段を下って折れてまた左にまがって一旦外に出て、別の何やら木造の貧相な避病棟になった暗い湿っぽいかび臭い建物に入って、またまっすぐ行って左に曲がって右に折れて、こちらの部屋にお入りください。というわけでそこの部屋に入ると、白衣の医者と白衣の看護婦が暗い蛍光灯の照明の中、ゴム手袋・医療用マスクで私を見る。

あの 先生 昨日の夜から咳がケホケ・・あと寒くてなんか汗がホケ・・▲×●AU÷X・・・熱があるみたいでゲホ・・

あーそれ 新型インフルエンザですんで、タミフル出しますね。

はあそのケホいや▲×●AU÷X・・・ ボゲその新型って言われてもケホケホ会社に行けないじゃないですか検査とかゴボ・・

あー検査しなくても今の時期急に咳して熱出るのは100%新型なんでタミフル出しますねー。

いやケホその検査しないって▲×●AU÷X・・・ボゲボ鼻に棒つっこむやつとかあるじゃないケホケホですかゲボ・・

あーそれ季節性の検査ね。新型のはDNA検査でお金かかるから大量感染じゃないとしないから。

の一言で、非情にも”今の季節であなたの症状は新型であるので、あなたもすべからく新型インフルエンザ(豚型)である”の診断が下された。検査もしないで豚ちゃんを断定されてもいまいち何だかなーて感じなんだけど、まあそうだっていうならやむを得ないからやむを得ないし、映画の「ザ・フライ」とか「アウトブレイク」みたく、全身から血を噴き出しながら豚のバケモノになるのも困るので、ここは百歩譲ってタミフルもらってやろうと思ったのね。それが、普通総合病院て、病院で処方箋を書いてもらって、近くの御用薬局で薬を買うと思うんだけど、その場でタミフルをくれるわけだよ。それで、

本日はお代は結構ですからこちらからお帰り下さい

とか言われて隔離病棟の裏口から帰宅した。お代は別途1週間後にこちらからご連絡しますってことだったんだけど、待てど暮らせど連絡が来ず、三か月くらいしてこちらからお支払に参った。というわけで、豚インフルエンザ感染・避病棟隔離体験は、たぶん時系列で考えて、満員のマイケルの映画観劇中に感染、24時間後に発症だと思われるので、何卒如何わしいウィルスを根治されていない方は映画観劇など御控え頂きたいものだと切に希望したよ。

それでは。