ロシアンアバンギャルドて言葉があるけどあれもう言葉だけでかっこいいよね。その響きだけでご飯3杯食べれる。まあそうじゃなくても食べられるのでそれはそれで問題なんだけど、とにかく内容はよく知らないけど、ロシアンアバンギャルドは名前からして名前勝ちしてると思う。あたし36歳解説者だってできることなら西園寺カトリーヌ=ラ・フランソワーズ・ド・ジャルジェ麗子みたいな名前に生まれたかったけどまあ現実はしょぼい。非常にしょぼい。
このネイルは、色の組み合わせが赤や黄色や緑色でロシアンアバンギャルドだけど背景が夜で、黄色や赤や緑色がかすれているので、きっと私の脳内のロシア貴族のラネーフスカヤ夫人にお仕えして一緒にパリに亡命したお針子さんのルシアが、詩人のロドルフと恋をして身を持ち崩してパリで奥様からお暇を頂戴して、カルチェラタンの屋根裏で一人貧しくお針子で身を立てて胸なんか悪くして、それでも夜になってパリの夜空を見上げると夜の国の空にきらきらお星様(ちゃちゃちゃ)、外は粉雪が舞って木枯らしが吹いているけど目を閉じて楽しく美しい夏のモスクワの思い出を思い出すと、着古したぼろのドレスは侯爵夫人の艶やかな衣装に、古びたオルゴールはきらきら煌めく宝石箱に、手元の刺繍の百合は夏のオデッサの秘密の花園に、階下の安酒場の真夜中を告げる柱時計の音は舞踏会のはじまりを告げる大聖堂の鐘の音に、
いやー妄想っていいですねぇ。
このネイルはいわゆるクラックネイルの変形というか、モザイクネイルとかパウルクレー・ネイルとか、名前が一定してないので、はっちゃんとわたしの間では ほらあのあれ。みたいなわかったんだかわかってないんだかよくわかんない耄碌した呼び名に定着してしまった。
もとの試作0号機はこんな感じ。色が違うと印象も違う。
11月号のSPURに掲載されてるのもこの形です。
それでは。