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a tokyo based manicurist, hatsuki furutani's salon works from a.m.s. ebisu place in shibuya

2012-06-22

南国伝説 赤と黒 夜のプルメリア

a.m.s.恵比寿プレイスです。

こんにちわー。実のところハワイにも行ったことないし、ブーゲンビリアとハイビスカスはわかるけど、プルメリアってどんな花なのかよくわからない。でも、何となくこのネイルは、夜に咲く花ひらく花、マサ子(仮名、解説者37歳)の夢は夜ひらく感じなんだけど、そのひらく花が、南国のハイビスカスとか、ブーゲンビリアとか、プルメリアみたいな感じがする。私解説者マサ子は生まれも育ちも京浜地区、つまり関東圏の育ちだから、花って言ったら、なんだか もやもやした曖昧な色の花ばっかりで、子供の頃は極彩色の花なんて図鑑でしか見たことなかったよね。子供の頃、ブーゲンビリアっていう存在は知ってけど、それは図鑑で見たり、テレビで見たり、思い浮かべるだけの外国の花であって、実際に見たことがなかった。初めて沖縄に言って、本物のブーゲンビリアが咲き誇っているのを見た時に、ああ、ここは気候がそんなに違うところなのか、って驚いたよね。普通にしれーっとブーゲンビリアが咲いちゃうなんてすごいよね。


さて、そんなわけで、このネイルの赤と黒、夜に咲く花赤い花、月下美人みたいに、本来、花は昼咲くはずなのに夜咲くその対比。から、男と女の対比を思い出す。よく若いお嬢さんが言うところの、<男の恋愛は別名保存で女の恋愛は上書き保存である。>とかそういう、夢のある対比じゃなくてさ、わたし解説者マサ子は、今を遡ること約10年前、その時私は失業者で、実家に巣食う穀象虫をやっていた。

そんで、暇ぶっこいて何やってたんだか、朝までネット見たりとか、音楽聞いたりとか、ごろごろしたりとか、くだらない絵書いてみたりとか、小難しい本読んだりとか、毛抜きでムダ毛抜いてみたりとか、キッチンから日本酒盗んでお酒飲む練習したりとか、なんかごそごそしてると、夜明けだ夜が開けてきて、東の空が白々と白んで、雀が鳴きだす時間になる。

いやー もう 寝るかなー。

てなもんで、失業者も初級者の頃はそのまま寝たいだけ寝て、窓にあたる西日も西に沈む頃、布団からもぞもぞ這い出て台所に行って、一人で得体の知れないおじやとか作って食べてたりしたんだけど、失業者も板についてちょっと慣れた頃には、散歩でもしない事には1日1歩も家から外に出ないから、東の空が白々と白んで、雀が鳴きだす時間になると、毎朝おもむろに1時間くらい早朝散歩に出ることにしたわけ。まあ、寝る前の散歩なんだけどさ。

そんで、近所の大きな運動場公園みたいな所に散歩に行くわけ。

(♪ドナドナドーナァドォナ・・・)

競歩ていうんでもなく、もちろんジョギングするてんでもなく、健康のため、とか何か目的があって散歩してるんでもなく、まさしく是、徘徊。20-30分歩いて、その近所の大きな運動場公園みたいのに到着すると、結構、人がいる。朝も5:00前から、まあよう早くから皆さん散歩されてんですが、ある時ふと気がつくと、そこに早朝に散歩に来ている人の特徴は皆さん だいたい、男女問わず60歳、65歳以上だと思われて、フラフラと若い奴が混じってるなんてことはない。更に、ふと気が付いて恐ろしくなったのは;

女の人は、子育てもかなり昔に終えられた主婦の皆さんのグループで、楽しげにおしゃべりをしながら、朝からこうも元気に盛り上がって散歩するか?というか、散歩というより、きちんと健康のため歩いていることがわかる速足の肘を振った歩き方で、実に有効的に楽しげに朗らかに、ご友人の方々と複数で毎朝待ち合わせをされて、その運動公園に散歩に来ている。なんか、楽しそう。

男の人は・・・。   ・・そうねえ。男の人はねえ。定年退職したお父さんが、肩を落として一人、ゆっくりとなすがまま、なされるまま、時の流れに身を任せ、誰とも喋らず、下を向いて、あんた、それ、何のために歩いてんの?ていう感じで、退職したら朝早く目が覚めるようになっちゃったから、散歩しに来てるぽい。中には結構な比率でお体を悪くされたらしい杖をついてるお父さんもいる。リハビリをがんぱっているぽい。運動公園にはそういう、定年退職後の、朝目が早く覚めるようになっちゃってやることがないから散歩に来るお父さんとか、病気の後のリハビリに散歩に来ているお父さんがいっぱいいるんだけど、みんな単独獣だから、<一人のお父さんがいっぱい>なんだよね。そんで、皆さん、女の人とも対比も鮮やかに、下を向いてゆっくりととぼとぼと歩いていて、実に楽しそうじゃないんだよね。

さて、ふと冷静になって、翻って、この早朝の運動場で唯一の若者である自分は、どちらのカテゴリーに属するのかって言ったら、若い身空で早もはよから起きてて、でもやることないし、ていうかむしろこれから寝るんだし、この後仕事行くわけでもないし、ニートだし、穀象虫だし、その時間に一緒に散歩してくれる友達いないし、もう、肩落としちゃって、下ばっかりみてとぼとぼ運動公園を徘徊してんだから、あたしだって、肩落として歩いてるお父さんと何ら変わる所は無いわけで、むしろ朗らか健やかに競歩でダイエットに励むお母さんたちのカテゴリーより、断然定年退職後の朝の徘徊のお父さんのカテゴリーに属するわけだよ。しかも28歳という若さでだよ。ある日突然会社に行かなくてよくなるのも考えもんだなー。          ・・と当時は思ったね。今なら歓迎だがな。

それでは。