ams

a tokyo based manicurist, hatsuki furutani's salon works from a.m.s. ebisu place in shibuya

2012-06-04

古谷葉月の柿の木の下  風化した動物の白骨

a.m.s.恵比寿プレイスです。

このネイルはホームページつくる時に考えた骨のデザインなんだけど、お客様からリクエストを頂いたのでやってみた。サロンの額縁の中にチップで作った実物が入ってるから、もしご興味があるお客様は見てみて。

骨つっても、若いお嬢さん方がやられるような髑髏とか、ロック的な骨?とかパイレーツ的な骨じゃなくて、風雨に晒されて白く軽くなった枯れて死んだ動物の骨。骨っていうのはこうあるべきなんじゃないかと思うし、骨のネイルつったらこっちじゃないの?


今日は猫について語ろうと思う。

昔々、わたし解説者マサ子(仮名、37歳)の実家の庭に、通称 「おかあちゃん」というノラネコがおった。「おかあちゃん」はメス猫だから、オス猫のようにどっかにいなくなっちゃったりしないで、実家の庭で10年近く生活してたんじゃないかと思う。私解説者マサ子(仮名、37歳)も実家を出てからも、まだ「おかあちゃん」は結構 長生きをして、実家の庭で居候していて、それでもやっぱり年をとってきた。実家にいる母親(あたしの)からそのうち、「どうも <おかあちゃん>最近 弱ってるのよね」とか、「<おかあちゃん>もう だめかもわからんね」とか、そういう話を聞くようになって、ついに到頭、「おかあちゃん」は最後の最後にふらふらのガリガリのよたよたになって、庭に現れたそうな。

「おかあちゃん」は、非常に弱っていたので、(あたしの)母親は、ああこれはもう「おかあちゃん」の最後の見納めかもしれんな と思いながら、水をあげたそうだ。死にそうなのに獣医にかけないのか、っていうの議論もあるとは思うけど、ずっと外で生活してきたおびえ症のネコだから、医者には連れていかなかった。それで、そのまま、「おかあちゃん」は、裏庭の柿の木の方にふらふらと歩いて行って、それが「おかあちゃん」を見た最後だったんだそうな。

~~~ ぽわーん 光陰矢の如し 寄せては返す幾星霜 ~~~

庭に「おかあちゃん」がいなくなってから8年ほどの時が経過したつい先月、(あたしの)母親が、庭を掃除して、草をむしったり、剪定したり、いらなくなった鉢をどかしたりまとめたり、落ち葉をまとめたり掃いたりしていたら、落ち葉の下から、白く風化したネコの骨が行き倒れたそのままの形ででてきたそうな。(あたし)の母親が言い張るに、それは「おかあちゃん」の白骨なんだそうだ。「おかあちゃん」が最後に歩いて行った、つい目と鼻の先なのに、今まで気がつかないで、「おかあちゃん」はそこで死んで、骨になって風化した。だから、ネコって死ぬとき どこかに行ってしまって、ネコの死んだ姿を発見することはできない、って言うけど、案外近くにいるんだなと思った。

幸いな事に ネコは死んでも、また会えるのね。

それでは。