ams

a tokyo based manicurist, hatsuki furutani's salon works from a.m.s. ebisu place in shibuya

2012-04-13

東京 夏の夕暮れ 雨が上がってスモッグとネオンに霞む渋谷

a.m.s.恵比寿プレイスです。

これは新手のデザインだね。なんだか都会の夕暮れに見える。それも、西洋の都会じゃなくて東洋それも東京に見える。ニューヨークの乾いた空気の寒色の透明なビルの風景とか、行ったことないけど極寒のパリの白けた灰色の空の煉瓦道でもないし、行ったことないけどバルセロナの抜けるような青空で鋭く乾いた太陽が差し込んで日向と日蔭を対比する原色の街の風景でもなくて、紛うことなく東京の夕暮れに見える。東洋の色使いは西洋の色使いよりもくすんでるけど、くすんだ色に何十も何百もバリエーションがあるわけでしょ?これは、東京の夕暮れ、排気ガス、光化学スモッグに煙った湿度の高い曇りの夏の日、雨が上がってくすんだ灰色の夕暮れにようやく日が差した頃には、赤や青の混じった葡萄色のネオンが滲んで、ビルの影にも、夜のネオンや重い夕方の空の色や雑踏や湿度や温度が反射して、なんとも暑いしぼーっとするし気怠いけど、もう仕事も終わって暑さの盛りも終わって何とも夜が楽しそうだ。イッヒッヒ。

場所はやっぱり、汐留とかみたいな寒色・ニューヨーク色の摩天楼じゃないし、新宿副都心みたいな灰色のアスファルトジャングルでもなく、雑多で猥雑なワインレッドの渋谷の丘だか谷からの夕暮れとネオンの眺めだから、それが何とも楽しい夜を約束してくれているような浮ついた心持になるわけだね。まあ今この年で渋谷の夜がそんな楽しいかっつったらそれはまた別問題だから、この気持ちは渋谷の夜を徘徊することがそれなりに楽しかった頃の気持ちを思い出してるだけなのかもしれない。

昔からそんな渋谷なんてしょっちゅう行ってたわけでもないし、最近はとんと行かないけど、こないだ外国人を東京観光に連れて行ってね、そんで久しぶりに渋谷に行った。事前に10か所くらい「ここは日本人と一緒の方がより面白いところリスト」っていうのを連絡しておいたら、①富岡八幡宮の骨董市で着物の端切れを買う ②武蔵小山の商店街を徘徊する ③渋谷の交差点を眺めて仰天する っていうコースになったのね。①と②はまあ、普通に進行してったんだけどやっぱ、聞かれたよ渋谷で。道玄坂で。円山町で。

あの建物は 何?

いや 何って聞かれましてもね まあ ちょっとギラギラしてますねんけど ホテルですねん。

何でホテルがいっぱいあるの?

何と申しましょうか その例のあれだまあ 所謂一つの一般には愛の旅館と呼ばれちょるけんね、あんたさん日本の住宅事情もちったあお考え遊ばせまして?

それってWFれ”’#tgrたり、そdふぃdjがd&”#’たりするところ??
・・って こと??

まあ そういうことじゃけ。

(※方言がおかしいのはわたしの英語がおかしいのと同様のくじらの構文)

そっから先は実に盛り上がったよね。愛の円山町ツアー。あらゆる路地を探訪。あげくのはてには日本旅館風とかあらゆる型式の愛の旅館があったりするもんだから、もう外人さんは完全に混乱の嵐で、お地蔵さん見たら後ろにちょっと日本家屋風の屋根がついてたりするもんだから、これも愛の旅館?とか、結婚式の二次会で<Reserved All Day> とか看板がかかってるカフェとか見て愛の旅館だと思って 終日予約済みってどういうことおおおおーーー?とか もう大変混乱されてたよね。思い知ったかアジアの底力。

結論としては、やっぱり渋谷は中の方に入るとアジアの混沌で楽しいね。てかあんたが楽しんでどうすんだと。

それでは。