ams

a tokyo based manicurist, hatsuki furutani's salon works from a.m.s. ebisu place in shibuya

2013-06-19

汝、キウイパパイヤ水玉ロリポップ

a.m.s.恵比寿プレイスです。

今日のネイルはかわいいね。こういうネイルを力まず、いともたやすく軽々と小指の先でさらさらと完成させるはっちゃんはやっぱり技量の高いネイリストなんだなと思うよねという提灯持ち解説者マサ子(仮名、38歳)ですこんにちは。



水色と、緑と、赤。って一言で言っても、水色の幅は広く、南の島のコバルトブルー、青空の水色、折り紙の水色。緑だってアマガエル色からクチナシの葉っぱの色まであるし、赤だって朱色から日の丸の色から血しぶきの色まで幅広い。私解説者マサ子(仮名、38歳)がはっちゃんを困らせる事の一つに、色の伝え方ってのがある。わたしの場合、ピンクじゃなくて不健康な内臓のピンク色、草色じゃなくて淀んだ沼の色、青じゃなくて灰色の混ざった不安な青、赤じゃなくて土留め色の入った血の固まったみたいな赤、がいいなーと思うわけで、これを伝えるのって結構大変なんだけど、それでも定番の説明方法っていうのがある。

オレンジ寄りのコーラルピンクを表す美空ひばりの口紅の色 、すなわちひばりちゃんが悲しい酒で着物を着て涙を流して酒は今夜を私を泣かすのねえええ と歌っている時の口紅の色は必ず、ブリジットバルドーのくちびるが艶やかになったような、オレンジ寄りのつるつるしたコーラルピンク、子供用の飲み薬の色。鮮やかな緑と青に灰色が加わった翡翠色を表すお釜の色、すなわち休火山の山頂にあるエメラルドグリーンの火山湖、蔵王のお釜の色。魚の内臓みたいなどどめ色、ピンクなんだけど入れ歯の歯肉の色のように健康的なつややかな内臓ピンク色、青の中の青、髪の毛一本たりともぶれの無い青なのに灰色が混ざっている折り紙の青、など色の精確さを伝えるためにあの手この手でもって、自分の作ってほしい色を例えをあげて言葉を砕いて説明に説明を重ねてたんだけど、こないだはっちゃんがゲロしたところによると

あはは~あたし実はあの説明あんまわかってないから~ マサ子さんがそう言うからさ~ 折り紙の青しかわかんないよ~

だって。

やっぱ鮮やかじゃない色を説明するって難しいよね。江戸時代の茶色のスペクトラムが100種類以上あって、それぞれが名前を持っていたとかいう嘘か誠かわからないけど、地味な汚い色チャートが欲しい。

それでは。